ズボラ女、じゃがアリゴに感動する

じゃがいもが好きだ。

それはそれはじゃがいもが好きだ。カレーを作るときは必ずじゃがいもを多めに入れるし、近所の惣菜屋さんへ車を走らせたときは必ずコロッケを7個購入し夜と朝に分けて大事に食べるし、マクドナルドに行った際はハンバーガーを頼まずにフライドポテトLサイズを2つ注文するくらいにはじゃがいもが好きだ。めちゃくちゃ好き。毎日食べても飽きない。
そんな淀みない愛情を一心にじゃがいもに注いでいる私だが、1つだけ大きな障害があった。

私は、料理が死ぬほど大嫌いなのである。

まず何より面倒臭い。洗う、切る、焼く、煮る、炒める、あらゆる工程がクソ面倒臭い。食材に火が通る時間を待つのが面倒臭い。余計なゴミが出てくるのも面倒臭い。さっと作って無駄なくさっと食べたい。
よっぽど気が向いたときは自分なりに手の込んだ料理を作るものの、そんなの一月にあるかないか。台所に立てたときは、安売りしていた切り落とし豚肉や魚などを適当に味付けして焼いて食べてる。
そもそも、手の込んだ料理で「カレーライス」くらいしか思い付かない辺りズボラ女の発想の貧困さを物語っているわけだが。

そんなこんなで料理嫌いの私が、だいすきなだいすきなじゃがいもに手を出そうとなれば、

球体とかいう皮が剥きにくい形状、めんどくさい!
芽には毒があるから残さず除去しなくちゃいけない、めんどくさい!
沸騰したお湯にじゃがいもをぶちこんでからほっくほくになるまでの待つ時間、めんどくさい!

……と、なるわけである。ズボラを通り越してクズである。
なので愛しのじゃがいもにありつくとするならば、自然とマクドナルドか惣菜屋さんの2択に絞られるわけだが、近場のマクドナルドは車で片道30分かかるし、惣菜屋さんのコロッケはあまり美味しくないことに気付いて足が遠退いている。口慰めにポテトチップスを食べても量が少ないから物足りない……。
私は2度とほくほくのじゃがいもを食べられないのか!?と絶望していたとき、Twitterのタイムラインに一筋の光明が差した。


「じゃ、じゃがアリゴ……?」


「じゃがアリゴ」という愛嬌のあるネーミングと、「じゃがりこ」「チーズ」という期待値天元突破外れ無しの組み合わせに心惹かれない訳がない。基本ツイッターレシピは薄い目で見ている私だったが、じゃがアリゴに関しては即日スーパーでさけるチーズとじゃがりこを購入し、迅速に実践した。
今にして思えば、初めて自分で作ったじゃがアリゴは失敗していたと思う。熱湯を入れてから1分ほどで開封したのでちょっと水っぽかったし、チーズもうまく混ざりきってなかった。
それでも私はめちゃくちゃ感動したのを覚えている。すっっごく美味しかったし、紛れもなくこれは私が愛してやまないじゃがいもだった。じゃがいもに絡みつくチーズも絶妙にマッチしている。これは、とても、美味しい。
あれから私はほぼ毎日じゃがアリゴを食べている。我慢して1日1食に留めているが、休みの日は朝食と晩飯の2回食べてしまうときがある。中毒者1歩手前感がある。
味もそうだが、手の出しやすい価格と、熱湯を入れてしばらく待つだけで出来る手軽さは、ズボラの私に非常によく合っていた。
今ではお湯の量、待機時間、混ぜ方もだいぶ手慣れたものになっている。この間はじゃがアリゴの為に塩を購入したのでより美味しさの幅が広がった。

じゃがアリゴのレシピを開発した人、ありがとう。
私、今めちゃくちゃ幸せだよ。